4. ファイル履歴管理の基礎(コミットの概念)

ファイルを編集・追加するときに毎回出てきた「コミット (commit)」ですが、これはGit/GitHubにおける変更履歴の単位です。
コミットは、ある時点でのファイルの状態をスナップショットとして記録し、メッセージを添えたものです。
一連のコミット履歴を見ることで、プロジェクトの進化の流れが追えるようになっています。

コミット履歴の確認方法

1. コミット一覧の表示

GitHub上でコミット履歴を確認してみましょう。リポジトリのトップページ(Codeタブ)で、ファイル一覧の上部に「commits」というリンクが表示されています(「〇 commits」と数字が書かれている部分です)。それをクリックすると、このリポジトリ内で行われた全コミットの一覧が新しいもの順に表示されます。先ほど行ったファイル追加や編集のコミットもリストに出ているはずです。

【画像:リポジトリページのcommitsリンク】

2. コミット詳細の確認

コミット一覧の各行にはコミットメッセージ、実行者、日時が表示され、クリックすると詳しい変更内容(差分)を確認できます。コミット履歴画面では、例えば「README.mdを編集」といった自分が書いたメッセージや、変更したファイルのリストと変更箇所(追加行は緑、削除行は赤で表示)を見ることができます。これにより、何をどう変えたかがひと目でわかります。

【画像:コミット履歴一覧画面】

【画像:コミット詳細(差分表示)画面】

コミットメッセージの書き方

コミットメッセージはチームでルールを決める場合もありますが、基本は簡潔かつ内容が分かる記述が望ましいです。あまり構えすぎず、「~を追加」「~を修正」「~を削除」程度でも十分役立ちます。コミットは何度しても構いません。特にGitHubのWeb UIから操作する範囲では、一つの変更に対して一コミットという形になるので、気軽にコミットしてOKです。

過去バージョンへのアクセス

GitHubではコミット履歴を辿って過去バージョンのファイルを表示したりダウンロードしたりすることもできます。各コミットのページで「Browse files」や対象ファイル名をクリックすると、その時点でのファイルの中身が見られます。「あの時の版を参照したい」というときにも便利です。GitHubは自動的にすべての過去履歴を保存しているので、日付やメッセージを頼りに目的の版を探し出すことができます。

GitHubの最大の特徴

コミットによる履歴管理こそがGitHub最大の特徴でありメリットです。「過去にどうだったか」をすぐ確認でき、間違いがあれば前の状態に戻すこともできます。Googleドキュメントの変更履歴に似ていますが、GitHubはチーム作業を前提としてより詳細な記録と管理が可能になっています。

変更内容の検索

コミット履歴から特定の変更を検索できます。例えば、「誰が特定の文言を追加したか」などを調べることが可能です。

変更者の特定

各行がいつ、誰によって変更されたかを「Blame」機能で確認できます。責任の所在が明確になります。

復元機能

過去のバージョンに戻したり、特定の変更だけを打ち消したりすることが可能です。

進捗の可視化

コミット履歴を見れば、プロジェクトの進行状況や作業の流れが一目瞭然です。

大規模なコミット履歴の管理

長期間にわたるプロジェクトでは、コミット履歴が膨大になることがあります。GitHubでは履歴を期間やコミッター(変更者)でフィルタリングする機能も用意されています。また、特定の重要なポイントに「タグ」を付けて目印にすることもできます。