2. チーム内に浸透させる方法
ツールはチーム全員が使ってこそ価値があります。GitHubを組織に浸透させるための工夫をいくつかご紹介します。
トップダウンとボトムアップの併用
経営者や上司が率先してGitHubを使い、「これいいね」と発信してくれると一気に浸透します。例えば部長自らIssueで指示を出すようにすれば、部下も自然と使います。同時に、現場レベルから「この前GitHubでこんなことできました」とポジティブな声を上げることも大切です。トップダウンの権威付けと、ボトムアップの草の根活動の両面から広げるのが効果的です。
社内勉強会やハンズオン
導入初期に社内勉強会を開きましょう。実際にプロジェクタでGitHub画面を映し、Issue登録やPR承認のデモを見せます。可能なら参加者に自分のノートPCで演習してもらうのがベストです。体験すると「なんだ、簡単じゃん」と感じる人が増えます。質問もその場で受け付けて解消できます。こうした勉強会資料はWikiなどに掲載して新メンバー教育にも使い回せます。
チャンピオン(推進リーダー)の任命
各部署に1人ずつGitHub推進の責任者(チャンピオン)を置くのも効果的です。その人はGitHubに詳しくなくても構いませんが、やる気があり周囲に声かけできる人が適任です。チャンピオン同士で情報交換し、部署ごとの課題を集約して改善策を講じたりします。「困ったら○○さんに聞けばいい」という存在がいるだけで、現場の不安はかなり減ります。
評価制度に組み込む
もし管理職であれば、GitHub活用を人事評価の一部に組み入れるのも手です。例えば「IssueやWikiを活用して知識共有できた」ことをプラス評価する、といった具合です。ちょっとしたことですが、動機付けになります。ただし形骸化しないよう、定量目標(Issue件数等)を課すのではなく、あくまで質的な成果を見るのが望ましいです。
小さな成功事例を社内発表
前述した成功体験の共有ですが、これは継続的に行います。社内掲示板や朝礼などで「GitHubのおかげで○○が解決しました!」という事例を発表しましょう。他部署にも波及するかもしれません。社内報に特集記事を書くのも良いですね。「便利そう」という空気ができれば、多少抵抗勢力がいても自然と多数派になっていきます。
浸透のコツ
GitHubをチーム内に浸透させるためには、トップダウンとボトムアップの両方からのアプローチが効果的です。組織の文化や既存のワークフローに合わせた導入戦略を立て、社内での成功事例を積極的に共有しましょう。また、チャンピオンを任命することで、導入の推進力を強化し、メンバーからの疑問や不安に迅速に対応できる体制を整えることが重要です。